• プログラミングって、不思議な活動だと思いませんか?

    学校や社会では「ちょっと扱いにくい」と思われがちな個性、例えば「こだわりが強すぎるところ」や「集団行動が苦手なマイペースさ」が、なぜかプログラミングの世界では「才能」として輝き出すんです。

    これは一体、どういう仕組みなのでしょうか。

    「完璧」じゃなきゃイヤ。そのこだわりがバグを見つける

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    まず、「こだわりが強い」子。 彼らは、ルールやパターンを見つけるのが得意です。そして一度ハマると、とことん突き詰める力を持っています。

    普通の生活では、その「完璧主義」が他人を疲れさせてしまうこともあるかもしれません。

    でも、プログラミングの相手はコンピュータです。 コンピュータは、ルールを1ミリも曲げてくれません。カンマが1つ足りないだけで、ピクリとも動いてくれない、本当に「融通のきかない」相手です。

    「こだわりが強い」子にとって、この「厳格なルールがある世界」は、実はとても居心地が良いんです。「あいまいさ」がなく、守るべきルールがはっきりしているから。

    普通の子なら「面倒くさい」と投げ出してしまうような、地道なバグ探し(間違い探し)も、彼らにとっては「答えが必ずあるパズル」や「宝探し」のようなもの。 その強いこだわりと探求心は、プログラミングにおいて最強の武器になります。

    自分の世界で、じっくり納得いくまで

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    次に「マイペース」な子。 プログラミングは、本質的に「個人の世界」で行う作業です。

    スポーツのように、他人の動きに瞬時に反応したり、議論のように、相手のペースに合わせたりする必要がありません。

    PCは、私たちが何百回失敗しても、決して怒ったり、呆れたりしません。 「あ、また間違えた」「こっちの方法はどうだろう?」 そんな試行錯誤を、自分の気が済むまで、自分のリズムでじっくりと繰り返せる。

    この「誰にも邪魔されない、心理的に安全な環境」が、マイペースな子の集中力を極限まで高めます。自分の世界で深く潜っていく感覚は、彼らにとって何よりの喜びでしょう。

    「もしこうなら、こうなる」――世界を論理で理解する力

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    そして、もう一つ。 ASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある子にも見られる、「システム思考」という強みです。

    これは、物事を「原因と結果」「IF(もしこうなら)THEN(こうなる)」という法則性で理解し、順序立てて考える力のこと。

    彼らの頭の中は、常にこの論理的な思考が動いています。 プログラミングは、まさにその思考プロセスそのものです。

    「もしスペースキーが押されたら、キャラクターをジャンプさせる」 「もしスコアが100点になったら、クリアの音楽を鳴らす」

    自分の頭の中にある論理的な組み立てが、そのまま画面上の「動き」として表現できる。 彼らにとってプログラミングとは、外国語を学ぶのではなく、生まれつき話せる「母国語」に出会うようなものなのかもしれません。

    「自分」を変えなくていい場所

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    結局のところ、プログラミングが彼らの才能を伸ばすのは、「自分を変える」必要がないからだと思います。

    社会では「細かすぎる」と短所と見られる部分が、ここでは「緻密で正確だ」という長所になる。 「マイペース」は「深く集中できる」に、「論理的すぎる」は「システムを構築できる」に変わる。

    自分の「得意」なやり方で没頭していたら、それが「好き」になり、結果としてすごいものが作れてしまう。

    プログラミングとは、彼らにとって、そんな「好き」と「得意」が完璧に噛み合う、最高の遊び場であり、学びの場なんですね。

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